無境さんと夢妙君の対話  伝統のとらわれを超えて

2015年08月20日 18:19:58
カテゴリー:対話

無境    今回も思い出話しから始めるよ。

 

 

夢妙    また過去の話なんだ。今にいないねえ。

 

 

無境    そういうことじゃないよ。その方が話しやすいから、思い出話から入るんだよ。

 

 

夢妙    まあいいや。今回はどんな話?

 

 

無境    私は今現在は自分に合った瞑想や教えを見つけているけど、以前はなかなか見つけられなくて彷徨っていたんだよ。

 

 

夢妙    今は「これだ!」というのが見つかって良かったよね。

 

 

無境    うん。それは幸運だったけど、見つかるまでは色々と苦労したな。やはり伝統的なものがいいだろうと思って、瞑想中心のヨーガを学んだり、チベット関連の瞑想会やセミナーにもよく参加していたな。

 

 

夢妙    色々と手を出していたんだね。

 

 

無境    そうね。そんな中でもチベットに縁を感じて、いくつか参加してみたんだが、ある時チベットに伝わる奥義を修行してきた日本人がいて、その人が瞑想会をやるということで、これはチャンスだとすぐに参加したんだ。

 

 

夢妙    それはどんなやつなの?

 

 

無境    具体的な名前を出すと差し障りがあるから言えないけど、チベットに伝わるものでも最高峰の修行法、瞑想法が学べるかもしれないということで、ついに自分が求めていたものを学べると、大喜びで参加したんだ。

 

 

夢妙    そうなんだ。よほど嬉しかったんだね。

 

 

無境    ところが大どんでん返しがあったんだよ。

 

 

夢妙    とんねるずでも登場したの?

 

 

無境    ねるとんじゃないんだから、そんなことあるわけないだろ。ちなみにとんねるずは私の高校の先輩にあたる。

 

 

夢妙    へー。あの高校なんだ。野球とサッカーが強いところね。

 

 

無境    近頃はちょっと冴えないがね。余談だが、私が在学中に甲子園にも出場して準優勝になって、一回戦だけ応援に行ったぞ。バスで何時間もかかって疲れちゃったから、一回しか行かなかったけどね。サッカーは国立競技場ですぐに行けるから何回か応援に行って、 優勝した年もあったんだ。

 

 

夢妙    それはすごいね。なかなかそれは体験できないよ。

 

 

無境    優勝はめでたいんだけど、その時は延長戦でも決着がつかず、両校優勝というふざけた結果だったんだ。だから優勝は優勝だけど、何だかすっきりしなくてね。女子生徒は優勝は優勝だと喜んでいたけど、男子は納得いかなくて「決着がつくまでやらせろ」とみんな言っていたな。そこは男性と女性の考え方の違いなんだろうねえ。

 

 

夢妙    思い出話がどんどん過去に遡っているから、そろそろ話を戻そう。

 

 

無境    どこまで話したっけな。そうだ、どんでん返しがあったという話だが、その瞑想会には3〜4度参加したんだけど、ある時から参加できなくなったんだよ。

 

 

夢妙    そりゃまたどうして?

 

 

無境    これから説明していくけど、ある時瞑想会が終わってから、主催者の人に二人で話がしたいと言われて、カフェで話をしたんだよ。

 

 

夢妙    ふむ。なんだろね?

 

 

無境    最初は特別な話でもしてくれるのかと期待してたんだが、そうではなかったんだよ。私は当時からブログを書いていたんだが、そこでチベットの奥義に関することを、一般ではんばいされている書籍から引用して、記事を書いたことがあったんだが、それを問題視されたんだ。

 

 

夢妙    何が問題なの?

 

 

無境    チベットでは密教が伝わってるが、密教は秘密の教えで、それを多くの人が目にするブログに書くことはいかがなものか、ということを言われたんだよ。私としては多くの人が読める書籍から引用したものは問題とは思っていなかったし、実際密教の書籍から引用してブログを書いている人は、他にも多くいたからそれくらいいいだろうと思っていたが、主催者からしたら大いに問題だったんだな。

 

 

夢妙    ふーん。そこで教わったことをブログに書くのは問題だろうけど、一般の書籍に書いてあることを引用するのが、それほど問題なのかねえ?

 

 

無境    主催者の人は、本当に熱心にチベットに伝わる奥義を学んでいて、戒律も厳しく守ろうとしていたからね。その人からすると大きな問題と見えるんだろうね。

 

 

夢妙    そういうものか。それでどうなったの?

 

 

無境    正直納得いかないところもあったが、主催者の言うこともわからなくはないから、そこではわかりました、これからもよろしくお願いします、ということになったんだ。

 

 

夢妙    その場はそれで終わったのね。

 

 

無境    うん。それから一ヶ月ほど経って、次回の瞑想会を予約しようとして、主催者にメールをしたんだ。その時は友人も誘って二人で参加しようと思ってたんだ。

 

 

夢妙    興味を持ってくれたんだね。

 

 

無境    一人での参加もいいが、友人と一緒に参加できるのも嬉しいから、とても楽しみにしてたんだ。ところがメールの返事がきて、それがどんでん返しだったのだよ。

 

 

夢妙    何て返事がきたの?

 

 

無境    前回ブログに密教のことについて書かないと約束したにもかかわらず、またそれに関することを書いていましたね。そのようなことがあっては、今後参加をお断りせざるを得ません。というような返事がきたんだ。

 

 

夢妙    無境さんまた書いちゃったの?それは問題じゃない?

 

 

無境    正直なところ、どんなことを書いたかよく覚えていないが、また問題視されることを書いてしまったようだ。それは確かに私が悪いが、本音を言えば書籍からの引用がそれほど問題か?と思ってもいたから、また書いてしまったのかもしれない。それにまさか参加を断られるとまでも思ってなかったんだろう。

 

 

夢妙    約束したから、それは問題視されても仕方ないよね。

 

 

無境    そうだね。私も軽率だった。ただこう言うと身も蓋もないが、参加を断られて逆に良かったなと今では思っている。

 

 

夢妙    そりゃまたどうして?

 

 

無境    私は伝統的なものにとらわれがあって、密教やヨーガを極めたいと思っていたんだ。ところが参加を断られて、それに対してのとらわれ、こだわりというものが落ちたんだよ。今私がやっているものは、いわゆる伝統的な仏教やヨーガなどではないが、それでも十分に成果がある。伝統的なものがダメということではなく、自分自身に合うものを学び、実践すればいいということに気づくことになっていったんだ。

 

 

夢妙    結果的には良かったわけだね。

 

 

無境    そうだね。それで予め言っておくけど、今から私が言うことは顰蹙を買うかもしれないけど、正直な思いを言っておきたいので、誤解を恐れずいうことにするが、主催者の人と話した時、主催者がグルへの思いを色々と語って、グルを裏切るようなことをしてはいけないと私を諭して、感極まったようでしまいには涙を流し始めたんだよ。

 

 

夢妙    そこまで思いが強かったんだね。

 

 

無境    そのようだね。それで私も貰い泣きをしたかというと、それが差にあらず、その思いに打たれた面もあるけど、逆に冷めちゃった面もあったんだ。ひどく冷静に相手の様子を見ていて、主催者の話も私の心に響くどころか、逆に距離を感じる結果になってしまったんだよ。

 

 

夢妙    無境さんはそういうところあるからねえ。笑いと泣きの瞑想で、笑う時は狂ったように大笑いしてるけど、泣く時は泣いてないものね。

 

 

無境    泣くことが一切ないわけではないが、あまり泣くことはないね。よく映画を見て泣く人がいて、私は映画をそれこそかなりの数見ているが、映画を見て泣いたことはほとんどないね。俗に言う泣ける映画といわれるものを見ても、号泣することなど全くない。

 

 

夢妙    そうなの。全く映画を見て泣いたことないの?

 

 

無境    ウルウルきたことはそれなりにあるが、明確に泣いたのは「赤ひげ」を見たときだな。

 

 

夢妙    結婚してはその女性を殺していた話でよく泣けたね。

 

 

無境    それは「青ひげ」だ。赤と青で全然違う話だよ。君はわかって言ってるだろ。

 

 

夢妙    時々つい茶化したくなってね。それにしても「青ひげ」は童話なのに随分ダークな話だよね。

 

 

無境    童話は案外ダークな話が多いよ。子どもにダークな話を聞かせることで、闇に対する免疫をつける効果はあると思う。闇に全く触れないでいると、成長してから逆に闇に取り込まれやすくなる場合もあると思うな。まあそれはともかく、「赤ひげ」は傑作だよ。3時間ほどの長さがあるが、全く飽きることがなかったな。

 

 

夢妙    黒澤映画だよね。「七人の侍」や「生きる」に負けるとも劣らない評価を得ているね。

 

 

無境    うん。医者と弟子の師弟の物語だが、色々なエピソードが展開され、それぞれがとてもいい。私が泣いたのは、一人病気で死にそうな人がいて、みんなでその人の名前を必死に呼んでいる場面があって、そこで何だか泣けてきてね。そのころ私は病気で生きるか死ぬか、という人とやり取りしていたので、余計ぐっとくるものがあってね。

 

 

夢妙    「赤ひげ」は僕も見てみたいな。それで「赤ひげ」以外には泣けた映画はないの?

 

 

無境    はっきりと泣いたものはないな。私は本当に映画を見て感動すると、泣くとか笑うとかそういうものを超えて圧倒されるからね。「2001年宇宙の旅」やタルコフスキーの作品などを見ると、いつも圧倒されて言葉や様々な感情を超えて、もうただそこにあるとしか言いようのない状態に陥る。

 

 

夢妙    そこまでなれるんならいいね。

 

 

無境    昨今よく映画の宣伝で「全米が泣いた!」とかそんなのがあるけど、そんなのは私は逆に見たくなくなるね。日本人はお涙頂戴が好きだが、感動の押し売りは私は大嫌いだ。近頃は「感動をもらいました」なんて言う人がでてきてるが、感動はもらうもんじゃないだろ。取り引きではないんだよ。ああいう言い方はものすごく違和感があるね。

 

 

夢妙    なんか力んでるね。

 

 

無境    更に言わせてもらうと、さる映画評論をやっている人が、「映画を見て泣けない人は、共感力が足りない」と言ってて、それは無茶苦茶違和感あったね。涙を流さなければ共感できないのか?泣いていれば共感力があるのか?そうとは言い切れないだろう。単に自己満足で涙を流している輩もいれば、泣かなくてもきちんと相手に共感している人もいる。涙を流すという物理現象だけで、共感力を図ることなどできるか?いやできはしない。

 

 

夢妙    少し落ち着きなよ。

 

 

無境    もちろん涙を流すことは、浄化になるし、いいことだよ。ただ昨今のお涙頂戴とか、感動の押し売りがどうにも我慢できなくてねえ。

 

 

夢妙    無境さんは無理に泣かなくても自分の浄化ができるけど、どんな形でも泣かないとストレスが溜まる一方の人が多いんだよ。それだけ現代社会が煮詰まっていて、そこにいる人たちがのっぴきならない状態になっているんじゃないかな。

 

 

無境    そうね。色々とストレスを安全に解消する術はあるんだが、ほとんどの人たちがそれを知らないからね。そのことを少しでも伝えていきたいんだがねえ。

 

 

夢妙    時期というものがあるからね。今はなかなか伝わらなくても、少しづつやっていけばいいんじゃない?ところでかなり脱線しちゃったけど、何の話だったっけ?

 

 

無境    そうだ。主催者の人が涙を流して語っていたんだが、私は冷めちゃったというところまで話してたんだ。そんなこともあってチベットの奥義を学ぶことに関して情熱も冷めてきたんだが、まあ折角のチャンスだし今後も学んでいこうと思っていたら、結局参加することを断られることになって、それがとらわれを落とすことになり、自分合ったものを見いだすことになったので、それで良かったのだという結論に至ったと。

 

 

夢妙    何がどうなるかわからないものだね。

 

 

無境    そうだね。それでその主催者の人が言ったことか、他の人だったか忘れたが、やはりチベット関連の人が言ったのは間違いないが、自分の師匠が性的なことをしている人の指導を受けたくない、ということを言ってて、もちろん性的な行為に溺れていてはいけないけど、性的なことをしては一切受け入れられない、というのは私には極端に思えてね。性的なことをしているしていないより、その人の指導を受けて、私自身がどうなるか、それが肝心であり、枝葉末節にこだわっても仕方ないと思うんだな。

 

 

夢妙    戒律があるから、それを遵守しようとしてるんじゃないの。

 

 

無境    そういうことだね。戒律は大事だけど、それが目的となってしまってはいけないと思うんだ。初めは戒律をしっかりと守る。だけどそれにこだわってしまうと、解放されるどころか、逆に自分を束縛することにもなりかねない。何が自分にとって大事か、それを見失ってはいけない。戒律の奴隷になってはならないんだよ。だからといって戒律をまるっきり無視していいかといえば、それはそれで問題だし、難しいところだね。

 

 

夢妙    抑制が全て悪いかといえばそうとも言えず、エゴの赴くままでいると滅茶苦茶になっちゃうからね。最近の覚醒系のスピリチュアルでは、そこを混同しているケースがあるよね。僕は決まり事とか好きじゃないけど。

 

 

無境    そんなわけで、今回の対話で私が主催者の人に対して批判をしていると受け止める人もいるかもしれないけど、私は主催者の人に感謝しているし、その人はその人なりの道を歩んでくれればいいと思う。

 

 

夢妙    今回は脱線が多かったねえ。

 

 

無境    今後もこういうパターンが多いと思うが、そもそも対話というのは脱線が多いもので、よりリアルなんじゃないかな。

 

 

夢妙    と何でも都合のいいようにする無境さんでありました。

 

 

無境    それでは次回の対話まで御機嫌よう。

 

 

 



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